
私は高度経済成長の真っ只中、昭和38年に生まれました。物心ついた頃には、映画館のスクリーンの中の“寅さん”は、毎年お正月とお盆に旅先から帰ってきて、僕を温かい気持ちにさせてくれました。特に一人暮らしを始めてからは、映画館で寅さんや寅さんの家族と再会することが、僕にとっての里帰りだったんです。あくせくと働き、知らず知らずのうちに自分の出世や幸福のことばかり考えがちな私に、寅さんは他人を思いやる優しさを教えてくれました。日本は、物質的にはずいぶん豊かになったけれど、人間関係は薄れてしまったと、きっと寅さんは嘆くかもしれませんね。














